たむぞうです。

その日わたくしは残業により遅い帰宅となりました。
粛々と仕事を片付け、事務所の明かりを消したわたくしは真っ暗な夜の道をひたひたと進んでいました。

その時です。
闇に蠢く何かの姿が視界に入りました。同時に

「ニャーン　シャー」

という声が聞こえたのです。

百戦錬磨の諜報員であるわたくしは震え上がりました。
しかし同時に未知の現象を前に高鳴る胸。

特殊部隊で鍛え上げた隠密接近術により、わたくしは対象に気取られぬよう接近しました。近づくにつれ、声はいっそう激しく悩ましく、そして不気味な摩擦音と叩きつけるような音が交互に響きます。

突然視界が開けました。

「これは……ッ！！！」


子ネコがマタタビでぶっこわれていました。


昼間、この場所で所長ＵＰＪＯＨＮがネコたちにマタタビをあげたのですが、子ネコはその残りを見つけ、ひとりで夜の狂騒状態に突入したと思われます。


いやひょっとして、昼間からずっとこうだったんじゃ……


どう推測しても、おそろしい、子ネコの狂態でした。
今晩お休みの際はカーテンの隙間にご注意を。

（ギャアアア）


たむぞう

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